がんばってるのに、空回りしてない?

「ちゃんと練習したのにうまくならない」と悩んでいる人が増えているようです。

よーく観てみると、確かに練習はしているのですが、その練習の進め方に「?」がつく人がいるんですね。

「つもりになっている」という盲点

図をご覧ください。ピアノがなかなか弾けない子たちをよーく観察していると、共通する練習のパターンがあります。 

 

図のように、難所に行き詰まると、前の小節へ戻って弾き直す。また同じところで詰まる。→戻って弾き直す→詰まる→戻って弾き直す・・という無限ループ。。。

 

結局、肝心の難所の部分に手を付けていないので、いつまで経っても弾けるようにはなりません。ただ悪戯に時間が過ぎているだけの練習。。。私はこれを「逃げる練習」と呼んでいます。

 

難所から逃げる、挑戦することから逃げる。乗り越える力や上達するチャンスが逃げる。

 

そして、時間が逃げる

 

このままいくと、中学生になった頃には、勉強や部活がある中で、ピアノまで両立させることが難しくなります。時間効率の悪い練習の仕方をしているので、いくら時間があっても足りなくなるです。

 

 

ここからが更に厄介なのですが、本人はそれでもピアノの蓋を閉めることなく、何度も何度もやり直しているので、「頑張って練習した」と思っています。

 

親も、子どものピアノの音が何度も聞こえてくるので、「お、今日は頑張ってるな ^^ 」と思っています。

 

 

つまり、練習した「つもり」になっているんですね。

 

「うちの子、結構頑張っていたのに、どうして合格しなかったのだろう?」と思われた親御さんは、その練習の中身(=質)に対してOKが出なかったとご理解ください。

 

 

こうしたケースは、何が問題かを把握していないんですね。言い換えれば、問題が何なのかがわかっている子は必ず直ります。弾けるようになります。

 

そして、どのように手を付ければよいのか、合理的な方法を学ぶ場が、ピアノレッスン。

我流でやるよりも、全体の体系から逆算して目の前の細部を分析していますから、合理的なのです。レッスンを受けるとは、そこを受け取り持ち帰ることが出来るか?ということに尽きるんですね。

 

せっかくの “お土産” を持ち帰らずに、我流で終わっている子は、とっても勿体ない行動をしているというわけなのです。 

 

図のような思考パターンで無自覚に自分の行動を制限している子はとても多く、労力の割に報われず苦しんでいます。勉強面でも同様の現象が起きているのではないでしょうか。

 

例えば、くもん式では入会の際、子どもがどこで躓いているかを探り、そこから更に簡単な単元まで戻ってスタートさせるそうですが、これも「問題が何なのか?」を探って、子どもたちの「わからないことがわからない」状態を整理しているのだと思います。

 

私のレッスンも同様です。

 

 

乗り越え方を経験しておくと、大人になってから様々な複雑で根気の要る場面に遭遇したときに、どのような思考と行動をとればよいのか、自分でわかります。つまり、自立できるということなんですね。

 

マニュアルに頼らず、自分で問題を発見し対処する… そのような思考になれれば、空回りから脱出できるようになり、実のある練習に切り替わることができますよ!思い当たるご家庭は、ぜひお子さんがどうやって練習しているか、観察してみてください。

ピアノと脳②楽器演奏者の脳の動き

前回から随分更新が遅くなってしまいました<(_ _)>

この夏は、西日本豪雨災害に始まり、その後も深刻な暑さがつづいて大変な毎日ですね。どうぞ皆さん、心身ともに疲れがでませんように、そしてご安全にお過ごしください。

 

さて、「ピアノと脳」についてのお話第2弾は、音楽をただ「聴いて楽しむ」のと、「楽器を演奏する」のとでは、脳の動きがまったく違うというお話です。

 

▼まず、こちらの動画をご覧ください。

前回のBlog では脳の機能分化のことをお話しました。また、楽器演奏をしているとき、右脳と左脳をつなぐ脳梁が太くなる ということについても少し触れました。これは、ただ音楽を聴いているだけのときではなく、楽器を演奏しているときに顕著に見られる働きです。

 

動画では、そのことの裏付けとして、fMRI (functional magnetic resonance imaging)という装置を使うことによって、脳の研究が一気に進んだことが紹介されています。

 

右脳・左脳を強力につなぐことにより、かなり高度に事務処理能力が働くことがわかってきたのですね。機能分化がぐんぐん進むようです。

 

何気なく楽器を演奏していましたが、自分の脳はこんなにも高度にたくさん働いてくれてたんだ~!と私自身もちょっとびっくりでした。でも、よくよく考えてみると、かなり集中して数時間練習したあとって、スポーツをしたのと同じような疲労感があります。納得!

 

皆さんも日々、しっかり頭と体と、そして心を、動かしてみてくださいネ(^_^)/

 

 

ピアノと脳①両手奏の難しさは左右の分化

いつかどこかのタイミングでご紹介したいな…とずっと思っていたこと、それは「左右の分化」という言葉です。バスティン・メソッドの講師として有名な池川礼子先生の講座(2002年に全課程を修了)でこの言葉を知って以来、自分なりにいろいろな文献を読んだり、レッスンを通じて確認したりして、蓄積しています。

 

ここ数年、両手奏の導入がすんなり入れず、投げ出そうとしたり、面倒がったりする子が増えている、もしくは二極化(抵抗なく受け入れられる子とそうでない子)が激しくなっているなと感じることがあまりにも増えてきたので、教室便りにも記事として執筆しました。

 

ここでは、少し詳しくご紹介してみたいと思います。長文になりますが、参考にしていただけるご家庭は少なくないと思いますので、よろしければ読んでみてください。


人間の脳はご存知の通り、左脳と右脳に分かれています。以下のようなキーワードがそれぞれに関連しています。

 

左脳:分析的・合理的・論理的/記憶・言語・論理/部分への着目

右脳:創造的・芸術的・直感的/情緒・空間・直観/全体像の把握

 

「私は右脳型だな」「うちの子は左脳タイプね」と思われる方もいらっしゃると思いますが、人間はどちらかに偏って脳が発達しているわけではなく、左右をつなぐ「脳梁」という部位でつながっており、以下のような流れで左右の情報を処理し、運動神経を伝って、必要な身体の部位へ指令を送って動かしています。

 

多くの感覚器からの情報が脳へ送られる

脳で運動が計画され、神経を通じて筋肉に命令がいく

筋肉の働きによって骨が動き、運動が起こる

 

 

どちらかというと、脳梁は男性より女性のほうが太いといわれており、例えば女性は電話をしながら洗濯物をたためるといった同時進行が難なくできるのに対し、男性は2つ以上の同時進行が苦手…というエピソードもあり、思い当たる方もいるのではないでしょうか。

 

(ちなみに、音楽家にはこの脳梁が太い人が多いといわれています)

 

ヒトは生まれてから発達に応じて、脳の領域ごとに役割が分かれていきます。これを「機能分化」といいます。“脳のシワ” が増えるというやつです。1歳くらいまでは、右脳も左脳もまったく同じ機能をもち合わせていて、右脳と左脳をつなぐ脳梁がほぼ完成する6歳頃までに、外圧に適応しながら、機能分化していくようです。

 

機能分化は順序立てて進みますので、ここで「6歳までになんとかしないと!」といって、早め早めに何か刺激を与えようとすると、確かにある部位は発達するかも知れませんが、それと引き換えに犠牲になる部位もでてきて、バランスを崩します。自然の流れに逆らってまで急ぐことは逆効果なので気を付けてください。

 

脳の中でも特に、「大脳新皮質」は下等動物よりも哺乳類などの高等動物が大きく獲得しており、知性や理性といった、知的行動をつかさどる部位といわれています。

 

生まれたばかりの赤ちゃんはこの大脳新皮質が未発達で、どちらかというと動物的というか、本能で生きていますよね。そして未発達なために、身体をまだうまくコントロールすることができません。

 

心身の成長に合わせて脳の機能分化が進めば進むほど、高度で複雑な動きができるようになります。赤ちゃんが左右の手を対称的に動かせても、非対称で互い違いに動かすことはできないのは、機能分化が進んでいないからなんですね。

 

さて、ピアノの両手奏は、この「機能分化」のうち「左右分化」に統制されています。

 

左右分化は、機能分化の中でも後半に現れてくるもので、ボタンをかけたり、ヒモを結んだり…といった複雑な動きができるようになるのは、左右分化が出来ているということです。年齢でいえばちょうど4~6歳…就学前後の時期でしょうか。

 

ここで、なかなかボタンが留められない、ヒモが結べないからといって、周囲の大人がやってあげてしまうと、子どもは左右分化をするための外圧を受け容れるチャンスを逃してしまいます。

 

本人もできないうちはイヤイヤが始まり、泣いたり拗ねたり怒ったり…となるので、ついつい親も「あ~ん もう!時間がない時に限ってこうなんだからー!」なんて言って辛抱できなくなって親が手を出してしまうものなのですが(笑)、親も子もここで根気強く、できるようになるまでいろんな場面を設けて繰り返し続けなくては、この左右分化という発達機能を獲得できません。

 

また、「そのうちできるようになるから」「大人になって出来ていない人はいないのだから」という理由をつけて放置するのも、適期を逃しています。

 

やり過ぎもNG、やらなさ過ぎもNG、なんですね。

 

ピアノもまったく同じです。

 

右手と左手が別々の動きをする…という行為は、非常に脳に負荷がかかり、左右分化の中でも非常に高等な芸当です。すぐには上手にできないので、イライラしたり、投げやりになったり、果てはうまい理由をつけてやらなくて済むように逃げてしまう子も出てきます。(思い当たる親御さん、いませんか・笑)

 

こんなときに「もう、そんなにしたくないんなら勝手にしなさい!」とか「別にピアニストになるわけじゃないんだから、やらなくてもいいんじゃね?」「ピアノに行ったときに先生に教えてもらいなさい」と大人が先に匙を投げてしまうと、子どもは「へー じゃあ、今は辞めてもいいんだ」となります。

 

イライラを抑える

あともうひとがんばりしてみる

理性をともなって、自分自身を克服する

 

 

… こうした行為こそが、“脳に負荷を与えている” = “脳が発達している” = “心身が成長している” ということですので、どうか、子どもたちが成長するチャンスを、「忙しいから」「いちいちそんなこと構ってられないから」というのを理由に、親御さん自身が投げやりになってチャンスを奪ったり、見逃したりすることのないよう、気をつけてあげてください。

 

バブル世代がゆとり教育を推し進めた頃から、こうした悪循環にはまっていく親子が大変増えています。そして今、このゆとり世代が親になり始めました。子どもの自由にやらせたい、子どもの自主性に任せたい、という名目の下に、間違った方向へ進んでしまっていることを大変危惧しています。

 

親子でバトルになるのが嫌、疲れる、親子関係が壊れるのが怖い… 私自身も経験してきましたから、こうした親御さんのお気持ち‥すごくわかります。でも、そこに我が子の都合よりも、自分自身の都合が優先されていないか、今一度 胸に手を当てて考えてみて欲しいのです。

 

 

子どもが社会へ出たとき、嫌なことすべてから逃げ切ることができるでしょうか?親が老人になってもなお、我が子を守り続けられますか?

 

それよりも、(よほどのことは例外として)壁にぶつかったときに、工夫を凝らして上手に生き抜く知恵や勇気が持てる、自律・自立した人になって欲しいと思いませんか?

 

子どもの自由や自主性を尊重することと、大人が適期に適切に導くこととは、どちらか一方しか成り立たない二項対立ではなく、同時に行えること、いえ、行うべきことなのです。

 

また、私がピアノの早期レッスンを勧めないのは、こうした年齢に沿った脳の発達を考えて、適期にピアノをスタートさせることが本人のために良いと判断しているからです。

 

こうした日々の成長という名のトレーニングは、週に一度ピアノへ来ただけでは習得できないのです。これについては、また次回につづきを書いてみたいと思います。

 

(つづく)

 

自分は変わる!変えられる!

最近、目覚ましい成長を見せてくれているK君。

レッスンルームに入ってくるなり、顔がニヤニヤしているので「お、今日も練習バッチリだったんだな^^ 」と丸わかり(笑)

 

「もしかして、今日もバッチリ?」

「うん、バッチリ(^^)」

「すごいじゃん」

「だってぇ 先生、かーんたん!」

「簡単だった?」

「うん、かーんたん!」

 

どれどれ?ではお手並み拝見といきましょう… というわけでレッスンをスタートしてみると、おっ☆本当にちゃんと弾けています。

 

「わぁ~ K君、ほーんとだ。ちゃんと練習してるねぇ\(^o^)/」

K君、ニヤニヤ(笑)

 

「俺、宿題も もう終わらせたもんねー」

「宿題って、学校の?」

「そう。作文。ピアノのこと書いた!」

「え?ピアノのこと?」

「そう。“今日一番がんばったこと” っていうのが題」

「お~ ピアノをがんばったから、ピアノのことを書いたってわけね!」

「そーそー (^^)」

 

彼は決して器用なわけではないのですが、言われたことを素直にそのまま、家でも続けて練習しているんです。初めてうちの教室へやってきたときには、ピアノの宿題なんてめんどくせー!と言って私に叱られちゃったくらいだったんですよ^^;

 

ピアノは毎日やらないと弾けるようにはならないという認識がようやく根付いてからは、やればやるほど、それまで自分の中でチンプンカンプンだったことの点と点がつながって、「わからなかったことがわかる」状態になり、それが嬉しくて楽しくて、またやる気になる…という好循環に入りました。

 

そのためには、彼のご家庭もおうちで声がけをしてくださっているようです。お母さんの意識が変わったことで、お父さんやおじいちゃん、おばあちゃんも応援してくれて、みんながK君を見守ってくださっています。

 

自分が変わったことで、周りの大人も自分に対して見る目が変わった… それがK君の自信になっています。だからこそ、今度はピアノ以外の勉強や私生活にも波及してきたのだと思います。

 

自分は変えられる!

私もみるみる成長していくK君に週に一度会えるのを楽しみにしています。そんな子どもたちがほかにもたくさんいます。

 

自分の花を咲かせることが出来るようになるまでに、K君のように割と早めな子もいれば、中学生になってから…という遅咲きの子もいます。やることは本当に極シンプルなこと…それを、忘れずに素直に(←ココ大事!)継続できるか、その継続を面白がれるか… ここに、早い・遅いが出てきています。(実践しない子は、残念ながら花が咲かないままピアノから離れるのも確かです。)

 

 

(´-`).。oO(それにしても、K君の書いた作文… 読んでみたいなぁ~)

 

兄弟だからこそ・・・

「同じ私の子で、同じ環境で育てているのに、なんで正反対なんだろう?」

兄弟姉妹を育てていて、こんな疑問を感じている方はいませんか?

 

不思議ですよね。同じように育てているのに、兄弟ってなぜあんなにバラバラに個性が散らばっているんでしょう。

 

これには、生物学的にちゃんと理由があります。生きものというのは、いかに多くの遺伝子を残し続けられるかという命題に向かって、生の営みを続けています。

 

例えば、突然 流行性のウィルスが蔓延したとします。どの遺伝子もまったく同じだったら、全滅してしまいますよね。ウィルスに弱い遺伝子は淘汰されたとしても、耐性のある遺伝子があれば、その種(しゅ)は生き残れる。だから生きものは、できるだけいろいろな種類の遺伝子をたくさん産み出そうとしていて、これは自然なことなんです。

 

人間も同様。なので、同じ両親から生まれた子どもでも、どの子もみんな違っているというわけなのです。違っていて当然なんですね。

 

習い事も、その子 その子に合ったものを選ぶのはとても大切。ピアノが向いている子もいれば、鍵盤楽器じゃなくて管楽器や弦楽器の方が合っているという場合はあり得るのです。

 

「下の子も上の子と同じように習わせないと、あとになって『どうして私だけ習わせてくれなかったの』と言われちゃう」と、単純に思わない方がいいかも知れません。

 

兄弟姉妹による向き・不向きの傾向ってあるのかも知れませんね。そういう研究をしている人っていないのかしら。おもしろいですよね(^^)

 

*****

このことをふまえて、うちの教室では最近、ご家庭のご協力を得て、あるトライアルをしています。これは長年、私が試してみたいことでした。

皆さんの中には、兄弟の送迎を一度に済ませるために、同じ曜日に、連続した前後のレッスン枠へ入れて、教室へ通わせている人はいませんか?兄弟姉妹を一度に教室へ送り届ければ、まとまった時間が空くので、主婦としては忙しい夕方は助かりますよね。

 

トライアルでは、このお母さんの利便性を手放していただくようお願いし、違う曜日に、兄弟バラバラに来ていただくことにしたのです。

 

すると・・・

 

予想どおり。兄弟それぞれにとてもよい効果が表れています。

 

生徒と先生の1対1の空気が、ほどよい緊張感と、ほかの誰か≒兄弟の視線を感じながらピアノを弾かなくてもよいというリラックス感をつくっていて、一人一人が落ち着いてレッスンを受けられるようになったのです。

 

兄弟って、本当に正反対の性格をしていて、一方はハキハキしていてスピード感はある・ただし落ち着きがない/ もう一方はおっとりしていてボ~ッとしている・でも単純素直でコツコツ屋・・みたいなことってありませんか?( 「うちがそうだわ~」って思いながらここを読んでいるお母さんがたくさん浮かびます・笑)

 

正反対のタイプが自分のやっていることを傍で見ている、なんなら、兄弟なので遠慮なくツッコミを入れてくる、お家へ帰ってママに「今日ピアノで○○ちゃんがこんなことやってたよ~」って告げ口される・・等々、兄弟って牽制し合っている部分ってあるんですよね。

 

そういうものが無くなった途端、肩の力が抜けて、誰にも遠慮することなく、“自分” を出してレッスンに向かい合えるというわけなのです。

 

子どもは繊細なので、こうした目に見えない雰囲気や環境を無意識に察知し、行動や心持ちが変化しやすい傾向があります。

このことは随分前から気づいていたものの、お母さん達の夕方がどんなに忙しく大変かを知っているだけに、なかなかこのトライアルを提案することができなかったのですが、

 

ひょんなことからタイミングが合い、幸運なことにこの提案を快諾くださるお母さんが複数現れて、現在その効果に驚いています。

 

写真の彼も、いつもどこかそわそわして、じっとしていられない様子があったのですが、一人で教室へ来るようになってからは、自分のペースをつかみ始めていて、写真のように一旦手を止めてじっくり “考える” という行為が多く見られるようになりました。

効果はいろんな面に波及するのか、道具もていねいに扱うようになり、私の話も落ち着いて聞けるようになりました。お家での練習量も増えているということです。

これを実現するためには、お母さんは送迎のために家と教室を何度も往復しなくてはなりませんが、親の都合と子どもの都合のどちらを取るか… それは、ご家庭の教育方針にもつながることですので、よくよく考えてみてください。(教室では強制はしていません)

 

面倒臭いことを引き受ける…それは、習い事をする子ども本人だけではないということなんですね。さて、ここをご覧のお母さんは、どのように思われたでしょうか。

ピアノに向き・不向きはあるか?

「うちの子、ピアノは向いているでしょうか?」

 

時々、こんなご質問を受けることがあります。ピアノの向き・不向き… うーん、どうでしょうか。ピアノが上達するための道は幾通りもありますし、環境やご家庭の方針にも左右されますし、一概に「コレ!」という決定打は見当たりません。

 

ただ、長年このお仕事をしてきて、なんとなーく傾向ってあるのかも知れないなと思うことがあります。ピアノに限らず、スポーツやほかの習い事の指導をしている先生皆さんが、同じようにお話していることなんですが、

 

①面倒臭がらない

②遠回りしながらも、試行錯誤することをやめない

③素直である

 

才能やセンスがあったとしても、この3つが備わっていないと、上達は期待できないのだと思います。

 

ところで②なんですが、これは、“自分に対して負けず嫌い” ということでもあります。ほかの誰かに対して負けず嫌いを発揮して、押しのけてでも自分が勝ちたい、というのではなくて、

 

「昨日の自分」より「今日の自分」!といった、負けず嫌いの矛先が自分へ向かっているような子のことです。こういう子は、試行錯誤して苦しいときも、投げ出さないでやり抜きます。投げ出す自分は負けたようで悔しいから、やめないのです。

 

そうした意味では、音大時代の同級生たちは皆、負けず嫌いでした。音大は、友達でありながら、コンクールやオーディションではライバルになります。

 

音楽を専門に進学する域にまで来た子たちというのは、ライバルに嫉妬心を抱くことさえ恥ずかしいこと、という究極の負けず嫌いなので、足をひっぱったり、押しのけてまで勝とうということはしません。

 

人との対比ではなく、自分の実力で評価を得ようとがんばります。それぞれが誠実に努力していることを知っている者同士なので、最後には互いの健闘をたたえ合うことができます。私は音大で初めて、本当の良きライバルたちと出逢えました。

 

***

話が脱線しちゃいましたね^^;

 

さて、あるレッスンで「これは①と②だな^^ 」と微笑ましく思えたシーンがありました。


今、彼女は一所懸命 読譜のためのトレーニングをしています。うちの教室では、ト音記号とヘ音記号を同時に平行して学ぶのですが、よくある現象として、ト音記号とヘ音記号を鏡文字のように入れ替えて読み違える‥というものがあります。主に小学校低学年でよく見られます。

 

こうした場合には、五線譜で自分で実際に書く課題を渡します。その子の弱い部分を強化するために、一人一人、オーダーメイドの課題をつくっています。

 

このとき、このSちゃんは、お手本のページと課題のページを何度も何度もめくって確認し、指で数えて、確かめる作業を繰り返していました。

 

要領の良い子は、同じページ内のどこかに “答え” がないかチラチラ見てうまく探し出し、そのままそっくり書き写します。これはこれで、要領の良い方法ですので、間違ってはいません。要領の良い子は、合理的で、飲みこみの早い場合も多いです。

 

ただ、こうした合理的なタイプは、泥臭く努力をすることが苦手です。ですので、どこかの時点でスランプに陥ったときに、簡単に答えを見つけられないことにイライラしてしまい、浮上できずに苦しむことになります。そのまま辞めてしまう子もいます。

 

一方、Sちゃんのように、面倒なやり方で時間がかかったとしても、本人はそのこと自体にあまり自覚はなくて、ひたすら「何の音かを探す」というゴールに向かっているという行動をする子は、可能性があります。

 

ここで注意したいのは、その良い芽を、周りの大人が気づかずにスルーしてしまうこと。

 

子どものこうした様子をすかさず見つけて、褒めてあげるのです。こういう作業をしている時に「おもちゃ片付けなさい」とか「プリントは出したの?」などと声をかけて、ほかの事に気持ちがそれてしまうことのないよう、ぜひ集中させてあげてください。

 

途中で疲れて「もうやだ」とか「やーめた!」と言い出した場合には、「キリのいい所までやってから終わりにしなさい」「あともう少しじゃん。途中でやめたらダメだよ」と声をかけてあげてください。ここでは、言い切り型で断言したアドバイスにした方がいいですよ。

 

「キリのいい所までやったら?」という投げかけ型で本人に判断をさせる方法だと、「やだ!」と本人は拒否しちゃいますので、そこは上手に大人が誘導してあげて、成功体験するところまで引っ張ってあげてみてください。

 

…とまぁ、これはレッスンでやっていることでもあるんですけれどね。

言葉がけ一つで、子ども達って変わります。いつも優しく、怒らないように…と無理をするのではなく、そのときの状況に合わせた言葉のチョイスが大切!と、考え方を少し転換してみると、結果的に怒らずに済んで、肩の力が抜けると思いますよ。とはいっても、怒っちゃうことってありますよね。それはそれで、泥臭くていいんじゃないでしょうか。(^^)

理想的な…(^^♪

レッスン時、生徒Oちゃんとの何気ない会話の中で、ステキなお話を聞いたので、本人の許可を得てご紹介します(^^♪

 

Oちゃんは、通常はクラシックレッスンを受けているのですが、中学生以降は勉強や部活の息抜きに、好きなポピュラー曲や映画音楽なども織り交ぜてレッスンしていました。そんな中で、久し振りに合格していたカーペンターズの「Close To You 」という曲を弾いていたのだそう。

 

すると、おもむろにお父さんがアコースティックギターを持ってきて、一緒に弾き始めたのですって!

 

「えーっ!それってステキーお父さん、曲に合わせてコードを弾いてくれたの?」

「ハイ(^^)」

 

私が理想とする姿がありました。いつかこの教室を卒業したとき、ピアノレッスンを辞めたあとでも、ずっと自分の力で弾こうと思えば好きな曲がいつでも弾ける、それを家庭の何気ないシーンの中で楽しめる… そのためにピアノ教室を開いていると言っても過言ではありません。

 

楽譜を買ってきても、どういうふうに弾けばいいのかわからない、指がうまく動かせない、両手で弾けない…ということのないよう、ピアノを弾くための最低限のスキルを身に着けることが、当教室の方針です。

 

ピアノレッスンについていけなくなって辞めてしまわれるご家庭の理由に、「うちは別に音大に行かせるつもりではないので」という理由をおっしゃる方がよくいるのですが、そもそも、そんな大それたレベルを引き合いに出してくるほどのことはしていないんですよね。そう思うご家庭もあるんだなぁと、認識の差に驚くことがあります。

 

Oちゃんについても、小さな頃からコツコツ言われたことを守って素直に継続してきた…ただそれだけのことをして、こんなふうに音楽を楽しめるまでになってくれました。お父さんもそんな我が娘のピアノを聴いて、きっと嬉しいに違いないでしょうね。素敵な父娘の姿を想像して、私も嬉しくなりました。

 

レッスンに来てくれるどの子にも、こんな楽しさ・喜びを味わってもらえたらどんなに幸せだろう…と、みんなに思いを馳せています。

 

「Close To You 」ってどんな曲?という方のために、ギター&ピアノのデュオの動画を探してみました。あまり音声がよくないですが、聴いてみてください。Oちゃん父娘もこんな感じだったのかな?^^

フレッシュさん♪

各学区で始業式、入学式も終わり、本格的に学校の授業が始まったようですね。
「〇年〇組になったー!」

「好きな子と一緒のクラスになれんかったぁ」

「担任の先生、めっちゃ面白くてアタリじゃったよー」

…等々、悲喜こもごもの子どもたちです(^^)

受験のために3月まで数か月間お休みしていた生徒が、無事志望校に合格し、復帰♪(お帰り~!)
入学したばかりなので早くに帰宅したにも関わらず、「先生にも制服姿を見せよう」と、わざわざ制服を着なおして来てくれたんですって。嬉しくなって記念撮影。いつも礼儀正しく、気立てもよく、その人柄を映し出すかのような優しい音色を出せる子なんです(^^)

 

高校生になったらやりたいことをアレコレ話してくれました。私の高校時代の話も交えながら、楽しいひととき。バンドもやってみたいそうなので、ピアノで培ったスキルは間違いなく役に立つと思います。

 

初めて出会ったときはまだ小さくてほんわかした子だったのに、こんなにお姉さんになっちゃって。もう先生は嬉しいよ~(感涙)思い切り青春を楽しんで欲しいなと思っています(^_^)/

 

ハロウィーン2016

今年もやりました、ハロウィーン・ウィーク!

ハロウィーンの仮装をする or 黒やオレンジ、ハロウィーンにちなんだものをどこかに身に着けて、「トリック・オア・トリート!」といって教室へ来た子にはお菓子をプレゼント♡今年も趣向をこらしたカワイイいたずらっ子たちが集結!お父さん・お母さんたちの工夫の数々にいたく感動してしまいました。子どもたちもとっても嬉しそうでしたよ。こういうのが後々、いい思い出になっていくといいなぁ。

 

たまにはこういう楽しい息抜きもしないとね♪

 

もう、みんななんてカワイイのぉぉぉぉ\(^o^)/

ピアノ伴奏者になること

伴奏者に選ばれたSちゃん。勿論、自力で譜読み完了。あとは伴奏ならではの曲想をつけるのみ♪
伴奏者に選ばれたSちゃん。勿論、自力で譜読み完了。あとは伴奏ならではの曲想をつけるのみ♪

秋風に少し寒さを感じる頃になると、この時期がやって来ます。

 

それは学校音楽祭や学芸会!

 

今年もピアノ伴奏者のオーディションに挑戦する子がチラホラ。「せんせーい!わたし、オーディション受けることにしたよー(^^)/」という子や、中にはもう「選ばれちゃった(笑)」という子も。

 

先日少しご紹介した初めての洗礼゛スランプ” がだいたい習い始めて1~2年目に訪れ、そこを乗り越えて3~4年目のあいだにある程度曲をこなして力をつけ、高学年になる頃にブルグミュラーの後半からソナチネあたりのレベルに入っていれば、音楽専科の先生から出されるピアノ伴奏の譜面を自力で譜読みして弾けるようになる…というのが、私の見立てです。

 

学校の先生としては、ピアノ伴奏は「ピアノを習っている」「結構弾ける」児童を前提にしている様子があります。ピアノ伴奏者は学年の代表でもあり、合唱をする仲間たちの縁の下の力持ちにならなくてはいけませんし、プロの音楽家も立つ大ホールの舞台で演奏しますから、しっかり打鍵できるだけの音づくりも必要です。小さい頃からコツコツピアノをがんばって力をつけている子に、その重責を任せたいという学校の意向があるのかもしれませんね。

 

うちの教室では、「ピアノ伴奏者に選ばれるためのレッスン」はしていませんが、5年生になる頃にはその程度のレベルの楽譜なら自力で弾けるのが当たり前になっておいて欲しいと思ってレッスン計画を組んでいるので、しっかりレッスンについて来た子は、自信をもってオーディションへ送り出してあげられています。実際に、立派に市民会館の大ホールで伴奏をこなした生徒もたくさんいて、みんなの挑戦を嬉しく思っています。

 

日頃努力をしていないのに「伴奏者に選ばれるって何だかカッコよさそう!」という理由だけで飛びつくようでしたら諫めて、伴奏を引き受けることがどんなに責任重大なことなのかを伝えます。これをきっかけに気持ちを入れ替え、努力し始め、見事オーディションを通過した生徒も過去にいます。(これは嬉しかった!)

 

オーディションのためだけの単発レッスンのお問合せが来ることもあるのですが、この場合はよほどの事情がない限りお断りしています。

 

 

どちらにせよ、オーディションの合否関係なく、チャレンジすることでかなり力をつけられますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。楽譜を持って来てくれたら、いろいろなコツを伝授しますよ(^o^)丿

 

お父さんの工夫:タイムマネジメント

子どもの日常的なことはほぼお母さんが担当…というのが一般的でしたが、ここ数年はある変化が。お父さんも積極的に子育てに参加されるご家庭が増えているんです。

 

例えば、体験レッスンにお母さんではなく、お父さんが連れてこられるケースがあって、それまでお母さんしかいらっしゃることがなかった私は、ドアを開けたらお父さんがお子様と一緒に立っているのを見てびっくりした!なんてことも(笑)レッスン参観にお父さんがいらして、「今日は仕事が休みだったもんで…(///∇//)」と言いながら恥ずかしそうに入室される場合も^^

T君は、ピアノの練習時間の習慣づけに成功しているのか、毎週必ず一発で合格していて、半年足らずでテキストが1冊終わってしまう勢いです。おかげで、私が彼に対して「ここまでは出来るだろう」「ここから先は少し負荷を与えて力試ししてもらおう」という指導計画を見事にクリアしてくれ、順調に進んでいます。「お母さんとピアノの時間を相談して決めてるの?」と訊くと、「いや、違う」と。じゃあ自分ひとりで決めたの?と訊き返すと、

 

「ううん。お父さんと」

 

え?と思って詳細を尋ねてみると、お父さんがカードを作ってくれて、ちゃんとできたらそのカードをひっくり返すんだ、って教えてくれました。ぜひそのカード見てみたいな♡とお願いしたら、翌週持って来てくれました。

カードはマグネットになっていて、冷蔵庫へ貼っているのだそうです。[しゅくだい][あしたのようい][習字]などと一緒に、[ピアノの練習]も作ってくださっています(嬉)

その日のToDoが済むと、カードをひっくり返します。すると[OK] が出てくるようになっていました。

こうやると、

 

*これからやるToDoの全体が把握できる

*何がどれだけ終わったか

*これからやるToDoがあといくつあるか

 

これらが視覚的に確認できていいですね!人間には五感がありますが、特に情報は「視覚」から取り入れていることが圧倒的に多いので、混乱せず頭の中が整理できていいのではないでしょうか。このように整理していくことをタイムマネジメントといいます。

 

今の子ども達は、習い事だけでもいくつもしていて、勉強もがんばらないといけないし、ピアノだけにかかりっきりにはなれません。「こんなにやることがたくさんあるんだから、簡単に出来るわけがない」という考え方に対して、

⇒✖だから、ピアノの練習もできなくても仕方ない:言い訳

⇒○だからこそ、1つずつ終わらせて何かに追われ続けることのないようにしよう:発想の転換

 

そんなわけで、毎日1つずつコツコツ練習をしなくては身につかないお稽古事の代表格:ピアノを続けるためのタイムマネジメントは、必須といえます。

 

 

【タイムマネジメントとは】

タイムマネジメントとは、自分の時間を主体的に計画し、それを確実に実行することにより「時間価値」を高めていくセルフマネジメントのこと。次の3つの課題を改善すること。

 

第1の要素:スケジューリング

持ち時間内でToDoを割り振ること。これをさらに細分化して、事前のスケジューリングとしてToDoをどのように行うかを優先順位を決定する。また実際にやってみた時に発生した不測の事態に対処しつつ、当初の予定をどのようにこなしていくか、微調整もできるとよい。

 

⇒私のレッスンでは、生徒の出来ること/出来ないこと の範囲内で余裕をもって、1週間(7日間)で割り振れる量を課題にしています。言い換えれば、7日分ありますから、レッスン日直前の1~2日程度で慌てて練習しようと思ってもこなせないので注意!^^;

 

 

第2の要素:無駄な時間をなくす

ToDoの効率を高められるよう、効率的な進め方を身に着ける。

 

⇒レッスン内で、間違えた時のやり直しの仕方・効率的な練習の仕方を伝えています。これを実践せず、我流のやり方(もしくはお母さん流のやり方)で無理に進めてしまっている生徒は、効率が下がってしまっていて(=悪い癖がついてしまい弾けない、さらにその癖を取り除く時間が余分にかかってしまう)、これがピアノ嫌いを加速させる原因となっています。このケースが非常に多い。

 

 

第3の要素:使える時間を増やす

上記2つの要素を改善して、さらに自分の時間的な価値を有効にする。

 

⇒限られた時間で曲が完成できるようになりそれをキープできさえすれば、必ずしも毎日練習できなくても大丈夫。つまり、ほかのこと(部活や勉強など)との両立が可能になる。

 

いかがでしょうか。タイムマネジメントは、社会人ともなればいろいろな職場で否が応でも使われている手法です。時間に追われることなく、時間を使いこなす自分でいたいもの。日頃からピアノを長く続けられる子に学業優秀な子が多いと言われているのも、じつはこのような手法を子どもの頃から身に着けているからではないか…と私は思っています。実際、当教室でも子どもの頃からの夢を着実に叶えて巣立っていく子が本当に多いんですよ。

 

T君のご家庭では、さり気なくお父さんがマグネットカードというツールを通じて、このタイムマネジメントを直伝なさっているという訳ですね!ここをご覧の皆さんのご参考になりますように(^^)/

 

カンフル剤はしょっちゅう使わない

これまで順調にテキストが進んでいたH君(小1)。難易度が上がって来て、いよいよ最初の壁にぶつかってしまった模様(>_<)何回も何回も繰り返し同じこと練習をしないといけないのはとても苦痛ですよね…。これを、ゲームを攻略するように楽しめるようになるといいのですが、すべての子がすんなりそうなるとは限りません。

 

▼自力で超えなくてはいけない壁を高~く感じてしまいがちになるのって、こんな場合です。

*最初に順調過ぎてすぐに合格がもらえてきた子

*あまり苦労しなくても弾けちゃう器用な子

*お母さんがつきっきりで教え込んで完成させてからレッスンへ臨ませてしまう場合

 

要は、「挫折知らず」な子は打たれ弱くなってしまうんですね。これはピアノに限ったことではないので、誰しもはは~んと思われるのではないでしょうか。

 

導入期のテキストというのは、1曲ごとに難易度が上がるわけではなく、

 

A◎新しいテクニックを学ぶ曲登場

A○数曲は同レベルの曲が続く

(これらで復習する)

↓しばらくすると

B◎また新たなテクニック登場

B○数曲は同レベルの曲

 

…といった具合に、足踏みできる復習曲をはさみながら、段階的に難しくなるように作られています。(というか、うちではそういう作りになっているテキストを採用、あるいは数冊を組み合わせてA◎→A〇→B◎→B〇…となるように考えています) ですので、◎の新しい曲は少し大人も背中を押してあげたりしながら乗り越えさせ、代わりに○の足踏み曲は大人は手伝わずに自力で弾かせて、基礎体力を持続させます。レッスンでも、◎の曲は少々粗くてもとにかく乗り越えたことに対して合格をあげますが、〇の曲は丁寧に仕上がるまで合格の基準を厳しめにしています。

 

基礎体力が定着すると、新たな難しい曲に入った時に、その培った基礎体力を使って壁を超えられる。これを繰り返していくうちに、だんだん親や先生の力を借りずに弾けるようになり、音楽的自立が完成するんですね。

 

さて、H君には奥の手、“カンフル剤”を用意してみました。

「がんばり屋さんの木」カード\(^o^)/

上手に弾けたらシールを1個ずつ貼って、木にいっぱ~~~い実をつけてみよう!!と言って渡してあげます。すると、「さぁ、もう1回弾いてみて」「んーまだまだもう1回!」と声をかけるたびにヤダヤダ攻撃を送っていたH君が、シールを貼るために自分からどんどん繰り返し練習をし始めました(^^)v

 

ここからがコツ①なのですが、レッスンで木を完成させません。「お家でも続きをいっぱい貼って来て♡」とシールのお土産を渡してあげます。続きがやりたいので、大喜びで持ち帰ってくれます。そうして、次の週にH君が持って来てくれたのがこのカード。赤い実がたわわに実っていますね。H君、教室へ入ってくるなり「先生~見て見て!」と張り切ってこのカードを差し出してくれました。H君、すごくがんばりました\(^o^)/

 

さて、ここからコツ②です。

カード&シール作戦が功を奏したからといって、これを毎回使ってしまうと、子どもは新鮮味をなくしてしまい、カードもシールも放っ散らかして、また練習しなくなります。(「わかる、わかる!」って、そこのお母さん思いました?笑)

 

ですので、私は日頃はシールやスタンプは多用しないようにしています。つまり、ごほうびは用意していないのです。ごほうびが欲しくて練習して欲しいのではなく、練習して「弾けるようになった」ことこそ、何よりのごほうびとして嬉しくなって欲しいなと思っています。

 

そんなわけで、“カンフル剤”は安易に使わないで小出しにしつつ、でも確実にH君は「がんばりやさん」になってくれました。カンフル剤で勢いをつけたら、あとは彼自身の力を信じて、また教室で待っていたいなと思います。

 

うちのイケメン君たち

もう夏休みも終わりですね。台風10号が迷走して、「いっそ上陸して夏休みを延長してくれ~~」っていう機運が高まったとか(笑)夏休みの宿題も無事終わったかな?すでに提出日が終わって、2学期が始まっている小学校もあるようです。中高生たちは9月始めにある学園祭の準備で青春しているようです。(つまり、ピアノはあんまり練習してくれていないw・涙)

 

***

今年になって、男の子が立て続けに入会してくれています。

やんちゃ坊主や寡黙な紳士まで、いろんなタイプが揃って楽しい私^^

 

しっかり練習してくる日はめっちゃ褒められ、サボってくる日は「コラァァ!」と叱られ(笑)私に対して「一体どんな先生なんだろう…」という緊張や警戒心もだんだんと解けてきて、信頼関係も築けてきました。(お母さんが程よい距離感で遠くから見守ってくださっているおかげです♪ )少しずつ教室のルールにも慣れてきて、真面目にする時と楽しくふざけてもいい時とのケジメがつくようになり、メリハリよくレッスンに臨めるようになってきています。

 

そんな先日、ちょっとツンデレな男の子が教室へ入ってくるなりこんなプレゼントをくれました。

「はいよ、先生。これ」・・・なんともツンデレな感じでポイって差し出した彼♪

「うわ~これってバラ? 先生にくれるの~!嬉しいわぁぁぁぁぁ」って喜んだら、ちょっとだけ鼻の穴が膨らんで嬉しそうな顔になったのを見逃さなかったのはナイショ(笑)

こちらは別の子です。ふと気が付くと、週ごとに飛行機の数が増えています。

黙ってこっそり置いて帰ってくの、なんでだろう?(笑)

 

小学2年生になってからピアノを始めた彼は、急ピッチで音階のしくみを習得中。

親に言われてなんとなく…という動機で始める子が多い中、本人から「習いたい」って言ったそうです。

「どうしてピアノがしたくなったの?」と尋ねると、

「同じクラスの〇〇君がピアノを上手に弾いていて、指の形もキレイで、悔しかったから!」ですって。

このあたりではまだ、『ピアノは女の子がするもの』という意識が残っている地域でもあるのですが(そういう声がよく入ってくるんです)男の子がピアノ弾けるって、カッコイイですよね♪

 

そういえば、人気急上昇中の「仰げば尊し」に出てくる木藤良蓮(きとられん)役の俳優 真剣佑(まっけんゆう)君はピアノが上手だそうで、ネットで女の子達を悩殺していましたヨ!

よし!うちの男子達にも「戦場のメリークリスマス」を弾けるように仕込もう\(^o^)/

 

生徒の成長(2)

 

小学校の学芸会は、2学期ではなく3学期に行うところもあるようです。3学期開催は、寒い体育館で練習をするでしょうから、風邪などひかないように頑張ってくださいね。

 

またまた嬉しいことがあったので聞いてください(^^♪

 

学芸会のピアノ伴奏に立候補したNちゃん。(小1)

まだ習い始めて1年経っていないこともあり、学校で配布された楽譜には習っていないところがありました。学校ではわりと、早くからピアノを習っている前提で伴奏者を募っているようで、かなり難易度の高い楽譜が用意されることが多いんです。立候補者にはコンクール入賞者もいたりして、レベルの高い闘い(?)になるところもあるようです。

 

というわけで、Nちゃんにはこの挑戦がどんなに大変になるかということ、ピアノの宿題をおろそかにして新しいことに飛びつくのはあまりいいことではないこと、ピアノも学校の曲も2つとも頑張れるなら先生は応援するよ!ということ、・・・これらを説明しました。

 

Nちゃん、真剣に話を聞いたあとに「2つともがんばる!」と、まっすぐに私の目を見て宣言。

私はこういうチャレンジ精神が大好きです。

よし、じゃあがんばろう!…と、練習ポイントを説明。お母さんにもこのことを伝え、ご家庭でのフォローもしていただけることに(^^)

*****

こうして一週間が経ち、お母さんからメールが。オーディションの結果は残念だったとのことでした。

それでも、Nちゃんはすごく練習をし、最後まで両手で完奏できたのだそうです!

お母さんも「最後まで頑張れたことに感心しました」と。

そのメールは、とても清々しい雰囲気に満たされていたんです。

 

私はとても嬉しくて、泣きそうになりました。

Nちゃんとお母さんは、結果ではなく、その過程に対して大きな価値を見出してくださったからです。

 

Nちゃん親子は習い始めたばかりなので、習い事を続けるとはどういうことなのか、今体験している真っ最中。やれば出来るとはこういうことなんだ!…ということを、身をもって初めて体験できたのだと思います。

現に、レッスンにやってきたNちゃんは顔つきが違っていました。

「先生!オーディションの曲なぁ、日曜日なんか、朝も昼も夜もがんばったんよ~!」と、自信をもって教えてくれました。毎日楽器に向かうのも億劫がっていたNちゃんが別人のようです。それくらい頑張ったからでしょう、課題にしていたテキストの曲は難なく合格。音もひと回りしっかりしていて、鍵盤に触った時間の多さを物語っていました。

 

宣言どおり、ピアノと学校のことを両立したNちゃん。

「そんなこと、うちの子にはムリじゃわ」と言わずに応援したお母さんにも拍手を送ります。

彼女のこれからの成長が、もっともっと楽しみになってきました。

生徒の成長(1)

 

長くいただいていたお正月休みも終わり、いつものレッスン生活が再開されて一週間が経ちました。

 

年末年始は生活リズムが変わるので、やはりどうしても練習のペースも落ちる傾向にあります。まぁ仕方ないよなと思いつつ、指がなまると取り戻すのに時間がかかるので、長いお休み明けのレッスンはいつもちょっと覚悟してお迎えしています。。。^^;

 

そんな中で、とても嬉しいことがありました。

 

発表会の曲を渡していたMちゃん。「冬休みのあいだに、ゆっくりでいいから最後まで譜読みしてきてね」というのが課題でした。

彼女に渡した曲はいつもよりも少し難易度高め。ページ数もあります。どうかな。半分くらいまで見るのが限界かな… ちょっと気になりながらも、そのまま持ち帰らせていました。

じつはMちゃんには、小さな弟君や妹ちゃんにつづき、お母さんがご出産を控えていらっしゃいました。ですので、ご家庭でのフォローをあまり期待してはいけないだろうなぁと思っていたんです。

 

そもそも私は、お母さんがつきっきりで練習に付き添うような環境は好ましくないと思っているくらいなのですが、落ち着いた練習環境を整えることはお願いしています。

 

例えば・・・

*ゲームに気をとられて楽器になかなか向かわない時には「ピアノの時間よ」と促していただくとか

*練習しているときに誰かがTVを見ていれば「ボリュームを小さくして」と言ってあげるとか

*子どもが練習している時には、自分もスマホを見るのはやめるとか

*見たいTVがある時には録画をしておいてあげるとか

*ピアノ周辺は整理整頓して、いつもスッキリとした空間を整えておくとか

*遊び弾きを始めた時には「そこが弾けるようになったらおやつにするよ~」とちょっとニンジンぶら下げて喝を入れてみるとか(笑)

(↑コレ、我が家でもやってましたw)

 

児童心理学の先生によると、日常の生活音や生活リズムが雑然としていて慌ただしいと、それだけで、子どもの中には無自覚のうちに落ち着かなくなる子もいるのだそうです。大人だと慣れてしまっていて気づけない視点ですよね。確かに、練習のHow to には関心が集まっても、周辺環境には無頓着になりやすいかも知れません。(そんな子ばかりではないことを勘案した上でお読みくださいね。ちなみに、子どもに合わせ過ぎてもいけないそうです。ほどよく…ね!)

 

またお母さんがスマホに興じているのも、子どもにとっては心寂しく気持ちの萎える原因になるそうで、「私にはあれこれ言うのに、お母さんはスマホばっか!」…と、最近の子どもの不満No.1なのだとか。

 

****

・・・で、Mちゃんちの場合はご家族の一大イベントを控えているわけで、ご家庭ではピアノどころじゃないだろうなぁと思っていたわけです。

そんなMちゃん、コツコツと自力で、最後まで譜読みを完了してやって来てくれました!

レッスンでやっているソルフェージュもていねいにしていたのでしょう、演奏状態も落ち着きのあるいい音を鳴らしています。(この音の状態で、ピアノ教師は家での練習具合はだいたいわかります。)

 

聞けばMちゃん、ナント年末にお母さんがご出産されていたとのこと!

そんな中で、よくぞ自分の力だけでキレイな譜読みを完成させてくれた!と、私はとても嬉しくて、すごくすごーくMちゃんを褒めました。

 

Mちゃんは「今お母さんは大変な時だから、自分のことは自分でしなくちゃ」と、いつにもまして気を引き締めてがんばったのかも知れません。そのことをお伝えしたくて、私はお母さん宛にお手紙メモをことづけました。

お母さん、赤ちゃんのお世話で大変でしょうけれど、お姉ちゃんも立派にがんばっていますよ~^^

このところちょっと気の滅入ることがあったのですが、私も元気をもらいました♪

素敵な感性

「ねー先生、見て見てー!」

NちゃんとMちゃん姉妹がモミジの葉っぱを持ってレッスンへやってきました(^^)

「先生んちの玄関、すっごいモミジのじゅうたんみたいになっててキレイだねぇ!」

「このモミジすごいでしょ!赤と黄色が混ざってて一番キレイだったから拾ったよ♪」

 

矢継ぎ早に言いたかったことを競うように話し続けるNちゃんとMちゃん。

よっぽど感動してくれたのね(笑)うん、先生も紅葉した庭木の玄関、お気に入りなのよ!

「ほらぁ!今やってる曲にぴったり!!」

 

嬉しそうにはしゃいでいる姿をこのままずっと見ていたいなぁ…♪ と思いつつ、いかんいかん、レッスンしなくちゃ…と現実に戻ってしまうのは哀しいオトナのサガですね(>_<)

いつまでも、こうした感性を持ち続けて欲しいなぁ!

Nちゃん、Mちゃん、ありがとう。

耳コピ!

満員御礼を申し上げたにも関わらず、ありがたいことに、キャンセル待ちにて体験レッスンのお申込みが続いております。皆さま、本当にありがとうございます。お一人お一人を丁寧に見て差し上げたいと考えているため増員は避けたく、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。 (。v_v。)

*****

先日のレッスンで、ちょっと嬉しいことがありました♪

「先生・・・あのぅ・・」いつも大人しいYちゃん(小学2年)が、自分から私に話しかけてくれました。

私:「ん?」

Yちゃん:「あのな、ハウルの動く城の曲がわかったけん、楽譜にしたよ (//∇//)」

そう言って見せてくれたのが、上の楽譜です。

耳で聴いてメロディーを探したのですって!(通称「耳コピ」!)

 

何と、自分で大譜表を作っています!(彼女には大譜表の書き方はまだ教えていません。)

そして、『ハウルの動く城(本当は『人生のメリーゴランド』といいます♪)』の曲が4分の3拍子だということをちゃんと理解して、譜を割っているではありませんか!指番号まで考えています!

( 五線から自分で引いているところがいじらしい♡ 五線譜ノート、今度買おうね♪ )

 

もう感激!!!ソルフェージュに力を入れてきたことが、ちゃんと、しかも自然に身についていることがわかって、とても嬉しく思いました。

 

さらにさらに。

楽譜の表紙を作って、ちゃんと標題を書いていました。

譜めくりをしないで演奏したい場合、楽譜をコピーしてつなげて使うことがあるのですが、その際ペラペラコピーのままを使うような粗末なことはしないで、「コピーの楽譜でも、ちゃんと台紙をつけて大切にしようね」と伝えていることを、ここでもきちんと実践してくれました。

 

ちなみにクリアファイルですと、ビニールポケットの上から書き込みが出来ないので、うちではスケッチブックや厚紙の台紙の上にコピーを貼らせています。

 

※著作権法に則り、当教室では家庭内での

個人練習用に限りコピーさせています。


もう少し先のところまでメロディーを見つけたら、少しずつヒントをあげながら、左手の伴奏も考えてもらいたいなと思っています。きっとYちゃんなら時間をかけて完成させてくれることでしょう。


これからが楽しみですヾ(*≧∀≦)ノ゙+.。 *+.☆

 

ちなみにご本家、久石 譲 先生のピアノと指揮による素敵な演奏はコチラ。

イントロの譲先生のピアノと、その後に続くオーボエが素晴らしくエレガントなの♪


Composed by: 久石 譲
Performed by:
Conductor & Piano - 久石 譲
Orchestra -  新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ

弾き直しをするときの, 目からウロコ

あるところで執筆依頼された内容なのですが、想定以上に「うわ~ 気づかなかった!」「目からウロコです!」と言われましたので、こちらでもご紹介したいと思います。

子ども達の練習風景でよく見られる現象と、改善例について―――

まず、下の図をご覧ください。
「シ」から「ソ」を弾こうとして、誤って1つ下の音である「ファ」を弾いてしまったとしましょう。

このとき、ほとんどの子は「あっ!」と思ってすぐさま、「ソ」の音に弾き直します。

実は、これがあまりよい修正方法とはいえないのです。

「え?間違えた音を直したのに、なぜ?」と思われる方も多いでしょうか。

「シ」から「ソ」までの鍵盤の幅は、子どもの小さな手だと案外届きません。

このときの指の運び方を「跳躍」といいます。

子ども達がこの跳躍でなぜ間違えるかというと「しっかり指を広げないとソまで届かない」という意識を持っていないからなのです。

この場合の正解は、「ソ」から直すのではなく、「シ」まで戻って弾き直しをする!です。

本来の原因である「跳躍の幅」の部分練習をするというわけなのです。

「ソ」にするか「シ」にするか――たったこれだけのことなんです。まさに目からウロコ!

 

このことに気づいている子は、「んもぅ!シからソまで遠いから間違えた!」「ココ、いっぱい指を広げんといけんわ」などと言いながら意識して、「シ」から弾き直しをしています。なので、1発で直るか、2~3回も弾き直せばすぐに跳躍を習得してしまいます。

 

ただし、これが出来る子は全体の1割いるかいないか。(私の教室の場合です… ほかにもっと素晴らしいご指導されている教室もあるかも知れません ^^;)

 

子ども達の大半は、このことに気づかず(悪気はないのですが)、単に上辺だけ「ソ」と直すと、安心してすぐに続きを弾いてしまいます。このため、また同じ箇所が出てくるとまた失敗する。その繰り返し。言い換えれば、間違うようにクセをつけているのです。しまいにはイライラしてきて、「もう練習やだ!」となってしまう… 悪循環にはまっているんですね。

 

レッスンでは、こうした部分を本人に気づかせるような導き方を心掛けています。

「間違えることは悪いことじゃないんだよ」

「どうして間違えてしまうんだと思う?」「どうしたら直ると思う?」と、

初心者には詳しく時にはお手本を示し、何年も習っている子にはヒントだけを、それぞれ投げかけます。

 

なぜ?と立ち止まって振り返り、対策を考え、自分で自分を乗り越えることが大切なんですね。

これが、習い事やスポーツをする意義 ―-―醍醐味なんです。

 

また、子どもの手の大きさや柔軟性、集中力のある・なし、ご家庭にある楽器がアコースティックピアノか電子ピアノか、等々、さまざまな個性と環境によって導く手順も異なってきますので、このあたりを注意深く見定めるのが、私たち指導者の役目となります。指導者はとにかく「観察力」が大切。素人では限界があります。このために、私も指導者セミナーや書籍、指導者仲間との情報交換などを通じて、自身の“引き出し” を増やす努力を続けています。

 

なんとな~く音が聞こえているから、練習できているんだろうな~と思われている方、丁寧な練習とはどういうものか、ご参考になると嬉しいです。

*****

ここでご紹介した内容は、導入期のごくごく基本的な意識の持ち方についてのお話で、

このようなことは「当たり前のこと」として、ずっと高いレベルでレッスンを

受けている生徒さんも大勢いらっしゃいますので、混同されないようお読みください。

回数と時間×その中身

「きゃーっ!何コレ、すっごくカワイイーーー!」写真、撮らせてーと頼んで撮らせてもらった、とある日のレッスンテキスト。数か月前からレッスンに来てくれているNちゃんの本です。

「きつつき」という曲なのですが、自分できつつきさんの絵を貼っています。(しかも上手♪)

右上にちょこっと見えるピンクの付箋の練習表は、お母さんの手作りです。

私が最初に、「まいにち10かい、れんしゅうしようね」と話したことを、Nちゃんはお家でちゃんとお母さんに報告したようで、次の週にはすべてのページにこの付箋が貼られてありました。お母さん、すごい!こんなふうに自分の楽譜をカスタマイズして楽しみながら、毎日の練習をがんばってくれているんですね。嬉しいなー!

 

◆ここでもう一工夫・・・

 

・このサイズの曲でしたら、10回ということは10分もあれば出来ると思うので、1度の練習×10回を、

 数セットしていただいてもよいと思います。

 例えば夕方に1セット/ 朝、幼稚園や学校へ行く前の10分間で1セット=計2セットという子や、

 思い立ったらいつでも始めるという子も。(そのために、ピアノの蓋はいつも開けているそうです) 

 

・10回できたときに○印をするのは、お母さんがしてあげると、もっといいと思います。

 適当にチャラチャラ~っとやっつけ仕事のように練習しているときには、

 「それ、10回に入れてもいいの?」「ちょっと違うんじゃない?」と投げかけてあげてみてください。

 そうすることで、いい加減なやり方をしてはいけないんだな…という認識が持てるようになります。

 何より、「ママが聴いててくれてる!」と思えることって、子ども達は本当に嬉しそうなんです。^^

 

 要は、「10回やれって言われたからやった」と、やらされ感で数をこなしさえすればいいのではなく、

 ちゃんと中身が伴っているかを振り返ることが大切なんですね。

 自分でそれが出来る子はいいのですが、そうでない場合は、お母さんが一緒に向き合っていただければ

 と思います。レッスンでも、このような投げかけ※は30分間の中でしょっちゅうしています。

 

 ※投げかけ

  「○○したらダメでしょ!」というよりも、「○○ってどう思う?」「○○ってそれでいいのかな?」と

  投げかけることで、自分と向き合い、自ら答えを導きだせるようになるのではないでしょうか。

  (もちろん、場合によってはキッパリ大人の威厳を以て正すケースがあってもいいと思います。)

 

 

◆それから・・・

 「毎日10回」というのは、まだ時計が読めない子に有効な言葉がけなのでご注意くださいね。

 時計が読めるようになったら、できれば「時間」で練習させてあげてください。

 

◆本当は・・・

 実は、回数や時間にとらわれず、自分が納得できる練習をしたかどうかが、本来の「練習」です。

 「今日は何だか集中できないな…」と思えば、アッサリその日はピアノの蓋を閉めてもいいのです。

 その代わり、「今日はこの小節をクリアするまでやめない!」と決心してやる!という日もあって

 然り。次のレッスンまでにどの程度まで仕上げて臨むのかをイメージし、

 1週間を上手に割り振りできるようになる・・・これができるようになると、もう自立できています。

 そうなれば、親は子どもに任せてOK。早い子は4年生くらいから自立を始めています。

 

さて、皆さんのご家庭ではいかがでしょうか^^


レッスン満員の御礼<(_ _)>

おかげ様で、ただ今レッスンの枠がすべて満室となりました。

ご紹介や口コミでここまで来られたことに、心より感謝申し上げます。

生徒さんお一人お一人を丁寧にレッスンさせていただきたいので、あまりたくさんの人数を一度にお引受けしないようにしております。私のキャパが小さくお恥ずかしい限りですが、どうぞご理解の程よろしくお願いいたします。
 

途中、転勤や受験のために空きが出る場合もありますので、ご希望の方はお問合せください。

(体験レッスンは、いつでも対応しています。)

また、今年は卒業学年がいるので、2月~3月にかけて新規募集を予定しています。その際にはぜひホームページをチェックしてみてください。

『あいうべ体操』でいろんなものを整える

『あいうべ体操』というのをご存じでしょうか。

福岡市にあるみらいクリニックという歯科医院の医師、今井一彰先生が考案した口腔周りの体操。
大きく口を開いて、「あ」「い」「う」「べー!」と言うだけの、簡単で楽しいお口の体操です。

この体操をすると、口呼吸から鼻呼吸となり、回りまわって、アレルギーや免疫疾患、炎症性疾患などへの改善が期待できるらしいのです。


▼あいうべ体操について(みらいクリニックのWebサイト内より)
http://mirai-iryou.com/mc_aiube.html


私は「これはレッスンに使える!」と直感しました。

レッスンの中で、読譜の練習や音名暗唱をしていると、呼吸が長く続かず、フレージングが悪い子が時々見受けられるのです。そうした子は、口呼吸をしていることが多いということに気づいていました。

 

口呼吸の弊害は、じつは歌うことだけではありません。

口呼吸をしていると呼吸が浅くなりがちで、酸素消費や血流が整わないので、だるくなったり集中力の低下を招きます。こうした子は姿勢も悪く、椅子の座り方も身体に芯がないので安定せず、腕や肩に無理な緊張が残って、とどのつまりは演奏に悪影響が出てしまうのです。また集中力が続かないので、いつも手がごそごそ動いていたり、キョロキョロしていて視界が定まらなかったり…話を聞いていないという様子もあって、非常に気になっていました。(今はこうした子が全国的に激増しています。)

 

▼あいうべ体操のことを調べているうちに、もっと様々な好影響がありそうだと期待しいるのがコチラ

画像:みらいクリニック様より
画像:みらいクリニック様より

あいうべ体操をしていると、口腔周辺の血流がよくなり、脳のマッサージにもなっているようです。

思った通り! これは集中力をUPさせる体操にもなりそうです。集中力を要するピアノにはぴったり。

 

******

というわけで、気になる子に積極的にあいうべ体操をしてもらって、半年が経ちました。

その結果… 

 

つっかえつっかえだった楽譜の音読がスラスラと読めるようになってきて、声量も出てきています。ボ~っとしていた子がシャン!となってきました。姿勢が改善された子は、打鍵の音にもハリが出てきています!すごいです、コレ 即効性があります!!

 

期待度が大きくて客観的ではないかも知れないので、まだ要観察…だとは思うのですが、子ども自身も「あ!なんか出来てる、私!」と嬉しそう。幼稚園のチビちゃん達は、効能はさておき、とにかく「べー!」のところが面白いらしく、キャッキャと大笑いしながらやってくれています。なので、その楽しい雰囲気中でスムーズにレッスンへ移行できるので大助かり♪ この体操は変な副作用を心配しなくていいし、タダなのもいいですよね(笑)家でも車の中でもどこででも出来ますので、ぜひご家庭でも試してみてください。

 

これはピアノに限らず、落ち着きのない子ども問題で頭を悩ませている学校でも大いに活用されて欲しいなぁ…とひそかに期待しているピアノ教師なのでした。

音価を知る

『音価』というものをご存じでしょうか。


音価(おんか)とは、音楽において、ある音(または休止)に与えられた楽譜上の時間の長さをいう。 例えば、楽譜に2分音符が示されているならば、その音符のの長さ、つまり2拍分が、その音符の音価といえる。 音価その音符または休符が支配する時間を示すものであるから、その符の開始点から次の符の開始点までがその符の音価である。(Wikipediaより)


音価がわからなければ、リズムや拍子がわからず、適当になってしまいます。お手本やYoutube、CDなどの演奏を先に聴いて、耳で覚えてから弾いている子は、この音価が曖昧なまま成長している子が多いです。

こうした子は、新しい曲の譜読みが課題にされるたびに苦しんでいる様子が見受られます。練習ギライになる原因No.1といっても過言ではありません。曲の難易度が上がるにつれ、譜面が読めないのでこの苦しみがひどくなり、ついには辞めてしまう…なんて悲劇も。
このため、初心者レベルの頃から、音価を意識したリーディング(譜読み)を指導しています。

▼そうした成果は、幼児や低学年でも以下のようなノートで確認することができます。

ノートにちゃんと左手を添えて、キレイな所作で書けていますね^^
ノートにちゃんと左手を添えて、キレイな所作で書けていますね^^

Kちゃんは、習い始めの頃はまだ音価がわからなかったので、書き取りをしてもすべての音符を等間隔で書いていました。おそらく当時のKちゃんの頭の中は、音符はただの記号の羅列でしかなかったのでしょう。弾いていても、自分が弾けるところは速く弾き、難しいところはテンポが落ちて…といった演奏で、つっかえ、つっかえ、リズムも拍子もテンポも滅茶苦茶でした…。自分が「音楽に合わせる」という客観的な行動ができていなかったんですね。

自分が中心で日々世界が回っている小さい子には、これはごく自然なことでもあります。ですので、小さいうちは気にしなくても大丈夫です。(直ります)これが、小学生…とくに高学年になっても出来ていない人は深刻です。(うちの教室は最近、深刻になっちゃった子の駆け込み寺のようになっています^^;)


音価を理解し、リズムと拍子感がだんだん身についてきたKちゃん。今では、ノートにリズムを書きださせてみても、このようにそれぞれの音符を音価に合わせて相対的にノート上に配置できるようになりました。もちろん、演奏もテンポの揺れが落ち着いてきています。

 

またこれは不思議なことなのですが、このようなことが落ち着いてくると、書き方もよくなる子が多いのです。Kちゃん、ちゃんと左手を添えてノートを押さえながら、エンピツを握る右手もしっかりとしているので、ハッキリ大きく濃い字で書いており、姿勢もよくなっています。硬筆は習っていないそうです。子ども達の成長を見ると嬉しくなりますネ^^

細かいことをいちいち気にせず、大らかで元気がいい子も大好きですが、所作が美しくてお行儀のいい女の子にだって いつでもなれるよ♪っていうの、ステキだと思います。
もちろん、ご家庭で教わってきちんと身についてから教室へ来ている子もいますヨ(^_-)b☆

Happy Halloween!

今年もやりました、ハロウィーンイベント!



ハロウィーンの格好をする、もしくは黒かオレンジをどこかへ身につけるかして、


「トリック オア トリートぉぉぉぉ!」


…と言ってお部屋に入ってきた人には、もれなくお菓子をプレゼント!


今年も趣向をこらした可愛いイタズラっこ達が来てくれました。

こらー!みんな可愛いぞー!!

嘘みたいなホントの話


先日、とっても素敵なことが起きました。


夕方、いつものようにレッスンをしていたら、突然のにわか雨。屋根を叩きつけるような大きな雨音が。


ちょうどその時、奇しくも、「レイン・レイン・レイ ン」っていう曲を(ピアノランド2より/樹原涼子先生)お稽古していたんです。「いやぁ~この曲にぴったり。すごい雨が降ってきたねぇ(笑)」とMちゃんと二人で顔を見合わせました。


するとMちゃん、「そぉっと弾いたら、やむかもー」と言いながら、pp(ピアニッシモ)で弾き始めました。

それだけでもMちゃんの感性に感動してたんですが、弾き終わったらナント、本当に雨がやんじゃったんです!


「うわ!ホントにやんだね!!」

またまた二人で顔を見合わせて笑っちゃいました。

こんな瞬間が、私のモチベーションを沸き起こさせてくれています^^


半年が過ぎて…

10月8日は皆既月食でしたね。
翌日のレッスンで、お月さまと地球がナントカ カントカ…!って、一所懸命説明してくれた○○くん。

私に伝えようとしてくれる一所懸命さになんだか心打たれちゃいました^^


春に入会してくれた子たちがそれぞれ、ピアノを習うってことがどんなことなのかがわかってきて、ようやく落ち着いてきました。もうソワソワしないで落ち着いて椅子に座り、自分が何をすればよいのかをちゃんと察して行動できています。私との1対1の関係が深まり、信頼感が生まれてきた証拠です。やっと本当の意味でのレッスンが出来そう♪

 

それに合わせるように、お母さん達も少しずつ子ども達から手を離せるようになっています。一人で教室へ入って来る。バッグは自分で持つ。靴も自分で揃える。宿題のページも自分で開く。お片づけもサッサと出来る。その陰で、本を出し入れやすいように張りのある生地にマチ付のバッグに変えたお母さんもいます。つかず離れず、見えない所でさり気なく。初めに張り切り過ぎて長続きしないご家庭、たくさん見てきました(笑)これポイントです(*'-')b

間違えたところを正視する

私のレッスンでは、消しゴムを使わない指導をしています。

もしも間違えたり、変になったりした時、子どもは咄嗟にすぐ消しゴムで消そうとしますが、私はそれを阻止します。そして指導では「消すことは、間違うことよりもよくないことなんだよ」と話しています。

 

ある時、ノートで聴音の書き取りをしていたときのこと。Aちゃんとしましょう。

Aちゃん、間違えている部分があったのですが、本人気づいていなかったので、ほんの少し背中を押してみようと声をかけました。「そこ、もう一度確かめてごらん」

Aちゃんは「あっ、そっか!」といって咄嗟に消しゴムに手が伸びました。

「わー ちょっと待ったぁ!」私は遮りました。

 

「そこ、消そうとしているけど、何がよくなくて、どう直そうと思ってる?

 

尋ねると、Aちゃんはフリーズしてしまいました^^;

そう、Aちゃんはまだ何もわかっていないのに、ただ間違えたと思った部分を削除しようとしていたのです。しかも、Aちゃんが消そうとした部分は間違えてなどいませんでした。間違えていたのは、その隣に書いた音符だったのです。さらにまた、私は「間違えてるよ」とは言っていません。「確かめてごらん」と言っただけなのです。(声がけの言葉も意図して選んでいます)

 

これだけで、Aちゃんの心の動きと、それをどう行動に移しているかがお分かりいただけるでしょうか。

Aちゃんは、指摘されることや間違えることをやみくもに怖れているのです。まだ社会生活の浅い4~5歳の子どもでも、すでに「恥ずかしい」「カッコ悪い」「怖い」と思い、隠そうとするものなんですね。


さて、ここからが私の指導の出番です。

 

1.間違いは悪いことでもカッコ悪いことでもない

2.何がよくないのか、間違えたところを見て原因を考える

3.原因がわかったら、どうすればよくなるか、方法を考える

4.実践に移す

5.何度もやってみる

6.うまくいかないときには、別の方法もやってみる

7.うまく直せた!

「失敗は成功の元」を体験!!

間違えても、ちゃんと後でやり直せる人がカッコイイ!

 

年齢や本人の習熟度によって、2.3.4.6.の部分で私が介入(=指導)します。いずれ、介入しなくても自宅で自力で出来るようになれば、その子は「音楽的自立」が完成しています。練習することで上達に近づいているのが実感できるので、練習が苦行から楽しさへ変化してきます。初めから練習をゲームをするかのように、難所をクリアすることを楽しめる子もいます。(私は子どもの頃このタイプだったと思われます)

 

あとになって「わぁ~私、こんな簡単なことを間違えてたのかぁ」って笑えるようになれば、その子はとっても成長していると思いますよ^^

 

ちなみに、2.3.4.6.で素人ママさんがママ先生になって介入してしまうと、横道にそれてしまう恐れがあり、軌道修正に大変時間がかかるのでご注意を!プロにお任せください。ご家庭に協力いただきたいのは、1.5.での励ましと楽器に向かえる環境づくり&タイムマネジメント、7.での共感です。

 

というわけで、間違えた部分は、改善策を考えるときの絶好の材料であり、克服したときの勲章になり得る部分なので、消すのは大変もったいないことなのです。

 

現実は、ここをクリアできずに、臭いモノに蓋をする思考からなかなか抜け出せない人が少なくありません。お母さんが知らず知らず蓋をしているケースもあります。いつまでも自分のマイナス面に蓋をしてしまっているので、だんだんそれがコンプレックスになり、練習から遠ざかりたくなってしまう。負のスパイラルに嵌っています。


これが習慣になったまま、小学校高学年、中学生以上になってしまうと、大変厄介になります。早いうちに克服させたいことの一つです。マイナスをプラスに転換する作業は、とてもエネルギーが要りますので、曲が簡単なうちに早く済ませましょう。

 

ですので、「音楽嫌いになってしまわないように… 」とわが子に合わせ過ぎるお母様がたまにいらっしゃいますが、これは逆効果。楽器を演奏する喜びから遠ざけています。ときにはライオンのお母さんみたいに強気で接していただけたらと思います。間違えても大丈夫、直せばよいのです(※)。子ども達の眠っているたくましさを信じてあげてください。

 

※だからといっていつまでも間違えてばかりなのはNGですよ!

それはただの甘えです。

克服を重ねるごとに力がつくので、

本来は間違いそのものが少なくなっているはずです。

よい意味での緊張感は持ちましょう。

 

いかがでしょうか。

消しゴム一つで、こんなに深いんです。何気なくやっているようでいて、私の教室ではかなりこだわっていることって結構あるのです。これはピアノに限らず、学校のお勉強にも使えますので試してみてくださいね。

「1日サボると3日かかる」

お盆休み明けのレッスン、一週間が終わりました。みんな海やプールへ行ったようで、真っ黒に日焼けしていて、夏休みを満喫していたみたいですね^^

「宿題済んだ?」と訊くと、「あとは絵日記だけー」とか「あとは感想文だけー」と返ってきて、ギリギリになって慌ててやっつける子があまりいないことに感心しました。計画的に宿題をしているんですね。(その計画の中にピアノも入れてくれているといいなぁ… )

 

さてさて。じつは、一週間空いたあとのレッスンって戦々恐々なんです。

 

私としては「次のレッスンまでたっぷり日にちがあるから、いつもよりしっかり練習してきてくれるよね!」…と期待しているのですが、生徒さん側にしてみれば、「しばらくは遊べるー!」…みたいな感じ…?…なのかな? 気が抜けちゃってるんです^^;

 

私が習った頃には、「1日サボると、取り戻すのに3日かかる」と教えられまして、これって2日サボると6日…約1週間かかるわけで、せっかく弾けるようにがんばったのに、たった2日サボったために台無しになるのはイヤだ!とばかり、練習の成果をキープする毎日送っていた記憶があります。弾けるようになると、楽しいですしね^^ 

 

私は、「もういい加減に練習をやめなさい、ご近所迷惑でしょ!」と母に注意されても「あともうちょっとだけ~」と言いながら練習を止めようとしなかった子どもだったのですが、こういう子って珍しいんだ…とわかったのは、このお仕事を始めてからのことでした(笑)

 

夏休みは、結構お出かけやレジャーの機会が増えて、返って生活リズムが狂いがち。子ども達は、こうした周囲の環境に簡単に影響を受けますので、ご家族がしっかりタイムマネジメントをしてあげてくださいね。(あ、夏休み前に言えばよかったw)

 

というわけで、お盆明けのレッスンでは、ほとんどの子ども達、指が鈍っちゃってましたので、ハノンなどの指のトレーニング要素のあるテキストに丁寧に時間をかけることに相成りました^^;

次回はちゃんとレパートリー曲を聴きたいなぁ~!

今年の初めてさん&初めて君

コラムを読んで、必要最低限の筆記具のみをご用意くださってます♪
コラムを読んで、必要最低限の筆記具のみをご用意くださってます♪

発表会が終わって、じつは少しのあいだ寂しい気分になっていました。なぜかというと、長年おつき合いしてきた生徒達が卒業していったから。

 

毎年、別れと出逢いを繰り返すこのお仕事ですが、何度経験しても慣れません…^^; 毎週、○曜日の○時にやって来ていたあの子が、もう今週から来ないんだなぁと思うと、寂しくて。

 

今回は特に男子生徒が大学受験生となりピアノを卒業したので、とうとう我が教室は女の子オンリーに…

と思いきや、ここで二人の男の子が入会してくれました♪

 

動きが大きく「ちょっとまぁ、落ち着いて、落ち着いて!」って言わないと空回りしているところや(笑)、その反面、繊細で恥ずかしがり屋なところもあって、ちょっと弾くたびに「合ってる?上手?」とでも言いたげに私の顔を覗き込む様子が可愛いくて。こういうところ、男の子の特徴ですね^^

 

 

今は私の腰あたりくらいしかない背丈のチビ君たち。卒業していったY君みたいに、あっという間に見上げるくらいグーンと背が伸びて、私よりもずっとデカい手で、オクターブも和音も難なくガンガン音を出すようになって、そのくせ、柔らかく優しい音色でショパンやリストなんぞを弾いてくれる日が来るといいなーと願うのでした。

「ピアノ、買ってもらったよ!」

こんにちはーーーー!

いつになく大きな声でやってきたKちゃん。

 

先生っ あのね、あのね、ピアノ買ってもらったよ!

 

目をまんまるくして、とっても嬉しそうに報告してくれました^^

Kちゃんは、おうちではまだキーボードでした。

このため、おうちでの練習ではいつもうまく弾けるのに、レッスンに来ると鍵盤の幅や重さが違う本物のピアノだと、どうしても弾けなくて苦労していたんです。

「よかったねぇ!先生も嬉しい!パパとママにありがとう、って言わなきゃね。練習もがんばれるね^^」って、一緒に喜び合いました。

 

*****

キーボードや電子ピアノは、電気で音が鳴るわけですが、言い換えると、鍵盤を押すことで、電気のON・OFFのスイッチが切り替わって音が鳴る…というしくみになっています。

 

これに対し、本物のピアノは、ピアノ線をハンマーが下から打って音が鳴るしくみになっています。ピアノは、見方によっては打楽器といっても過言ではないのです。(ちなみに、吹奏楽などでピアノが登場する曲では、打楽器担当者がピアノを扱います)

 

ピアノは"弾く(ひく)" と書きますが、(はじく)とも読みますよね。そう、ピアノは弾く(はじく)ことで、音を響かせているわけなんです。ですので、鍵盤を"押さえつける" ようにして音を鳴らすのはあまりよくないのです。(そうした奏法もありますが…)

このため、環境さえ許せば、できるだけ木で出来たアコースティックピアノをお勧めしています。もちろん、最近の電子ピアノは打鍵の研究が進み、かなりリアルに近づいていますので、電子ピアノでもレッスンには対応しています。

(残念ながら、キーボードはどうしても無理があるため、買い替えをお願いしています。)

 

例えていうなら、お習字を習おうとしたとき、

 

 ◎アコースティックピアノ=毛筆用の正式な筆

 〇電子ピアノ=水彩絵を描くときの絵筆

 △キーボード=鉛筆

 

…といったところでしょうか。毛筆も、絵筆も、鉛筆も、同じ字を書くツールで、ちゃんと文字も書けますが、どれも手に持った感触も違えば、書きあがりの字の様子は全然違います。

このあたりの違いを念頭におきながら、ご家庭でもお子様の練習環境を整えてあげてほしいなと思っています。

楽器店の回し者のように思われるのは心外なので、あまりおおっぴらには言わないのですが、楽器をグレードアップした途端、ウソみたいに上達する子は多いんですよ。Kちゃんもきっとグンと上達するはず。(私の指導の腕も試される!?笑)

 

ピアノの購入をお考えの方は、消費税が8%にUPする前に、思い切ってみるのはいかがでしょうか☆

 

 

ロシアって、どこ?

 

寒い季節ということもあって、ロシアの国の童謡を歌ったときのこと。ちょっと物悲しい音階でできていることの多いロシア民謡。

子ども達はどちらかというと、元気で明るい長調(メジャー)の曲が好きな子の方が多いのですが、短調(マイナー)の響きの美しさや切なさも知ってほしいなぁと思い、この季節には特に紹介しています。

 

ところで、ロシアって知ってる?

どっかの国の名前!

せんせーい!ロシアって、地球のどこにあるん?

上の方にあるよ

えっ じゃあ、日本よりも上?

そう、すごく寒いところだよ

えー じゃあ、北極とかのへん?

 

…というわけで、息子が小さい頃に使っていた地球儀で、みんなで探してみることに。曲の背景をお話するときのために、地球儀は常備しています^^

 

ロシアがどこにあって、まわりにはどんな国があるのかな?…なんてお話を交えながら、歌を歌いました。「日本て、ちっちゃいなー!」ってびっくりしていましたよ(笑)

 

ロシアといえば、チャイコフスキーやムソルグスキー、ストラヴィンスキーといった有名作曲家から、ラフマニノフ、プロコフィエフ、といったピアニストまで、実に多彩な音楽家を数え切れないほど輩出している国。バレエなどの舞踏、文学、美術についても、ヨーロッパ諸国のアンニュイで華やかな雰囲気とは一味違った、ピリッと張り詰めたような荘厳な独自の文化がありますよね。

音楽を通じて、いろんなことを感じてほしいなぁと思っています。

今年もハロウィーンイベント!

みんな、可愛いすぎ!
みんな、可愛いすぎ!

昨年、初めて企画したハロウィーンイベント。

ハロウィーンの仮装をする、もしくはオレンジか黒の服を着てレッスンへやって来た子には、お菓子をプレゼント!っていうイベントです。今年もやりました♪

 

そうしたら…!

こんな可愛い格好でやって来てくれたみんな♪

めっちゃ可愛い~~~~~♪

 

中にはお手紙をよく読んでいなくて、イベントのことをすっかり忘れて「素」のままやって来た生徒さんも数人(苦笑)「あら~残念!お菓子用意しといたのにな~~~」なんてイジワル言うと、なんだかモジモジ・イジイジ…

「トリック・オア・トリート!って言ったらあげちゃうけど?( ̄∇+ ̄)vキラーン.」と言うと、すかさず「トリック・オア・トリート!」(笑)

 

 

かくして、全員に用意していたお菓子をちゃんと渡すことができました^^

それにしても、お手紙読んでないおうちが多くて、教室便りの内容のマンネリ化を改めなくちゃマズイな…と感じた私です(とほほ)