勝負強くなるには?

レッスンでは、音の響きや音色はもちろん、休符の間合いや弾き終えたあとの余韻までこだわって指導します
レッスンでは、音の響きや音色はもちろん、休符の間合いや弾き終えたあとの余韻までこだわって指導します

只今、Lippia Music Room は発表会へ向けて練習の真っ最中。どの子も譜読みを完了して、次のステップへ移っています。インフルエンザが猛威を振るい、とてつもない寒さが続いていますが、負けずにみんな本当によくがんばっています。本番が楽しみです(^^)

 

本番といえば、ちょうど今は受験シーズンの真っ最中ですね。受験は、本番で日頃の努力を発揮することが求められる勝負の場!

 

私の場合は音楽大学を受験していますが、本番のたった一回の演奏で、1音でもまちがえればそこで終わり。「練習のときには弾けていたんです」という言い訳が一切通用しない、ほかの教科で点数をカバーすることもできない、一発勝負の厳しい世界でした。

 

私が進みたかったコースは、専科としてカリキュラムを持っている音大は当時国内には3校しかなく(あとは幼児教育科内の併設コースばかり)、残りの2校には魅力的な先生がいらっしゃらなかったこともあって滑り止め校を受けなかったので、まさに「退路を断って」の勝負でした。(今から思えば、なんて恐ろしいことをしていたのでしょう~w)

 

受験期には県内外の著名な先生方のレッスンを受けに出掛けていたのですが、「どうすれば本番で緊張しないで100%の力が出せますか」という私の愚問に、どの先生も口をそろえて「練習するしかない」とおっしゃいました。

 

「当日は、慣れない場で挑むので、どうしても力は目減りする。100%の努力をした者は80%の力、80%の者は60%‥では、100%を出したいなら、どうするか?毎日120%以上の努力をしなさい」と。たとえ緊張して頭が真っ白になったとしても、それくらいの努力をしていれば、指が勝手に動いてくれる…という意味です。

 

ところで、この質問がなぜ “愚問” かというと、「そんなの、当たり前じゃん」とどの先生も苦笑なさったから。この「当たり前」のことが当たり前にできない… ここに、本当の勝負の分かれ目があることを、私も今ならよぉ~くわかります。本当に愚かなことを質問したにも関わらず、先生方は面倒がらずにちゃんと答えてくださり、厳しくもお優しかった。今も第一線でご活躍の先生方ばかりなんですよ^^

 

「過程が大切なんだから、失敗したっていい」という言葉を、先に逃げ道として自分で使ってしまうのと、本当に努力をした結果 奇しくも失敗してしまったときに周囲から言われるのとでは、その大切にするはずの「過程」にゆるみが生じ、本人のこれから先の大切な場面での集中力や勝負力に、きっと大きな差が出てくるのではないでしょうか。

 

まずは、子どもたちの持つ潜在的な力を信じて引き出し、自信へとつなげる体験をして欲しい ――「発表会」はそれを体験する貴重な場なのです。