音符の読み書きのこと(2)

毎日継続するーーーわかってはいるけど、出来ないんですよねー!という声が聞こえてきそうですが、もう少しお話してみます。

 

記憶や暗記のお話とつながります。勉強にも役立つお話です。

 

知人で、一発で司法試験に合格して弁護士になった人がいます。司法試験では、とにかく覚えることが膨大にあり、六法全書を食べてしまうほどの勢いが必要なのだそうです。(ドラえもんの暗記パンか!笑)

 

この弁護士さんに、暗記のコツを教えてもらったことがあるんです。

 

① 初めてインプットする。

② 声に出しながら/手足のどこかを動かしながら/何かの景色とセットで覚える

 …など、関連づけると覚えやすい。

 私の場合は、「書く」とよく覚えられます。

 声に出すと覚えられる人、逆に黙読じゃないと入ってこない人、タイプは分かれます。

  (タイプについては、また後日)

 ピアノなら、手を動かすし音を耳で聴くし、体のいろんな部位を使うのでぴったり☆

 

③ ①②を終えて、数時間後、その日のうちに覚えたものをもう一度見直す。

④ 翌日、もう一度見直す。

⑤ 1週間後、もう一度見直す。

⑥ 必要のあるたび、覚えているかチェックする。 

  忘れていたら、①へ戻る。

 

人間というのは本来、忘れる生きものなんだそうです。全部を覚えていると、脳がパンクして死んでしまうらしいです。生きものの本能として、忘れるように作られているんですね。

 

忘れてしまうプロセスについては、「エビングハウスの忘却曲線」というものがありますので、リンクをぜひご覧ください。そりゃもう、見事に数十分後には50%近くを忘れてしまっていますよ、人間って(笑)

 

なので、①の時、人間は、脳の中の「忘れてもよい記憶の引き出し」へとりあえず入れるんだそうです。ところが、③>④>⑤ と何度も同じことを繰り返していると、脳が「これだけ何度も出てくるということは、これは大切な項目なんだな」と判断し、「忘れてはいけない記憶の引き出し」へ移し替えるんだそうです。

 

 

そして、この判断したり移し替えたり、脳の中で整理している時間帯が睡眠の時間帯なのですって。夜寝て、また別の日に覚える、また寝る、…ということを繰り返さないと、脳は覚えたことを定着させることができないそうです。

 

というわけで、私がレッスンで出している宿題はいつも復習型です。予習型は滅多に出しません。(力のついた子から、予習型に切り替えています)忘れないでキープすること、定着できることを目的に、曲の数や難度を考えて配分していますので、レッスン日直前になって「やっべー!宿題まだしてない!」といって一気に全部やってしまうのはNG。その場限りではクリアできたとしても、全然力がついていないんですね。

 

ワークブックを数ページ宿題に出すときもあるのですが、これも簡単だからといって一日で全部やってしまわないよう、毎日1ページずつやってねと伝えています。

 

ちなみにこの考え方で、塾も選ぶといいですよ。自分のお子さんの現状を見て、復習型の授業をする塾か、予習型なのか、はたまた個別に合わせてくれるのか。

 

予習型の塾へ通っている人は、学校の授業が復習‥ということになりますね。ですから、「これ、もう塾で習ったもん」といって学校の授業をマジメに聞いていない子は、復習していないので、定着が悪くなります。気をつけてみてくださいね。

 

また、テストの答案が返された時に、「間違い直し」をすると良いというのも、この考え方が当てはまります。どこを間違えたのか復習しているというわけです。よく「同じ問題が再度テストに出るなんてことはほぼないんだから、終わったことを見返しても意味がない」と思って間違い直しをしない人がいますが、これは随分もったいないことをしているんです。

 

ピアノを長く続けている生徒には学業優秀な子が多いというのが最近の定説になっていますが、うちに通う生徒たちを見ていても、当たっているかも知れないなと思います。大半はこの「復習型」に時間を割いてきた子が多いです。キッチリ基礎固めをしているので、未知のことへ挑戦する「予習型」へ移行する時も、すんなり進んでいます。

 

音楽と言う国の言語を習っているわけですから、毎日コツコツと定着していきましょう。面倒くさいようでいて、コレが一番、楽で確実にモノに出来る方法だと思います(^^)/