言い訳

ピアノを習わせているご家庭のほとんどの悩みは、我が子が練習しないことだと思います。
ピアノ教師が会議で顔を合わせても

「どうやったらちゃんと練習してきてくれるか」ということについての話題ばかり。

テキスト開発や啓発セミナー、ワークショップが山ほどあります。

私もアホみたいに注ぎ込んでは勉強してきましたが、行き着く先はやはり、

自分自身に向き合うトレーニングしかないのかな…というのが、現在の心境です。

レッスンのとき、「うまく弾けなかったの、自分ではどうしてだと思う?」と尋ねると、
子ども達は一所懸命に考えて、
本当にいろいろな理由を話してきます。

生徒:妹がいつもじゃましてくるから練習できなかった
先生:じゃあ、妹がいなかったら練習できたかな?
生徒:(− −)「・・・・・」

生徒:パパがいつもTV見てるから練習できない
先生:じゃあ、ピアノの時だけTV消してって、先生からお願いしてあげようか?
生徒:
(− −)「・・・・・」


生徒:今日は6時間目まで学校があったから
先生:来年になったら毎日6時間目まであるけど大丈夫?
生徒:
(− −)「・・・・・」


生徒:お母さんがお出かけするって言って、イオンに行ってたから
先生:一週間、毎日イオンに行ってたの?
生徒:
(− −)「・・・・・」


逃げ道がないほどに追求しちゃって子どもには可哀相かも知れませんが(笑)

そのどれもが、自分以外のもののせいにしていることに注目してみてください。

たった5~6歳の子でさえ、小さな頭と心で考え得るだけの材料を集めて、

必死に取り繕う姿に、私は 驚きと、虚無感と、愛おしさとが混ざり合います。

 

中には、子どもの代わりに、親御さんが練習できなかった理由を言いに

教室へ入ってこられる場合もあります。

わが子をかばうのではなく、わが子が堂々と教室へ行きやすくなる環境を作ってあげることが、

親の役目ではないかしら…というのが、私の切なる想いです。
(ご報告いただいた方がよい場合もあります。ケースバイケースであることをお察しくださいね )

 

自分の弱さに向き合うというのは、とてもつらい作業。

そこを見ないで、いい所だけを見て育てましょう、というのが世の主流ですが

私はそれだけではいけないと思います。

よくない所も自分で認め、そこを取り除くか改善できた、せめてそうしようと努力した、

いう体験をさせたい。

よい所もよくない所も、全部ひっくるめて、その子自身なのです。それを受け止めたい。

この体験が出来た子は、必ずどんな分野でも、悔いのない生き方をしているのを見届けてきました。

生徒:先生ごめんなさい。今週は理由もなく怠けちゃっただけなんです(>_<)
先生:そっかぁ…たまにはあるよね。じゃあ今日は一緒に練習しよっか!

私が嬉しいのは、素直に正直に、打ち明けてくれることなんです。

そこからしか、本当の信頼関係は築けない。

自分自身に嘘をついている人を見ることほど悲しいことはありません。

自分で気づき、オープンマインド…素直な気持ちを開けるようになることが、

習い事を成功させる一番の近道なのです。

その近道に気づけるよう、じっと寄り添い見守り続けることも、私の仕事の一つとなっています。

 

久し振りの投稿… やけにマジメにしてみました^^;