「聞く」と「聴く」

なぜか、ずっとブログを書いても反映されない日が続いていました。

ブログを覗いてくださっていた方、長いあいだ更新できなくてごめんなさい(>_<)

今回は、今月のOTODAYORIに掲載したコラムをご紹介してみようと思います。

題して、「聞く」と「聴く」の違いについて

 

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最近は、「聞く」と「聴く」の違いを意識しながらレッスンを進めています。

例えば、エアコンをつけている部屋でTVを見ていたとします。

そのとき、皆さんはエアコンの音が気になって、TVの音が聞こえない、っていうことは

ないですよね。エアコンの音がしていることすら、気づかないことも多いはず。

このように、人間の耳は、自分の都合のよいように選択しながら機能しているんですね。


聞く」ということは本来耳が持っている受身的な「きく」で、

聴く」は意識された能動的な「きく」というわけなんです。

おもしろいことに、英単語でもこの「きく」ことの使い分けがされています。私は、

聞く」=「hear」、 「聴く=listen」と解釈していて、

生徒さんたちにも年齢に応じて、言葉を考えながら説明しています。

 

もちろん、レッスンの世界では「聴く=listen」が大切!

「音をよくいて」「自分の音をもっといて」とレッスン中によく言うのですが、

「え?ちゃんとわたし、音をいてるんだけどなー」と思っている人も少なくありません。

なんとなく「聞く」ことから、音の違いを「聴く」「聴きわける」力を身につけたいものです。

 

人間は情報の約80%を視覚から吸収しているそうです。

このため、子どもたちも自分の指が鍵盤の正しい位置に置かれているかどうか、

視覚に頼って判断する子が多く、実際はあまりよくいていない場合が多いのです。

その証拠に、鍵盤が1つ右(=上の音)にズレていても気づかずに弾き続ける、といった

なんとも器用なことをする子までいたりします(笑)

音が合っているかどうかは、耳で「聴いて」判断できるようになって欲しいなと思います。

このため、宿題の中で「指ばかり見ないで、楽譜もちゃんと見て弾いてね」と伝えています。

 

目は楽譜の情報を「読み」、耳は音を「聴く」、指や体はその情報をつかんで表現に変える。

この一連の作業を、基礎習得の期間に身につけてもらうことをレッスンの方針にしています。

皆さんもぜひ、意識していてみてくださいね!